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Q&A

Q1:待降節(アドベント)とは何ですか?

待降節とは教会の行事の一つで、クリスマスを待つ期間約4週間の事を指す言葉です。この期間を通してイエス様の誕生をお待ちする。と言う意味合いがあります。それと、この時の始まりをもって教会暦の新年の始まりでもあります。

待降節はアドベントとも言います。ラテン語のAdventusという言葉がドイツ語のAdventと言う言葉になり、それがそのまま英語になった言葉です。最初のadは「向かってくる」。ventusは「風、運、状態」と言った意味で、簡単に言えば「時が近づく」という意味です。これ自体は信仰的な意味はありませんが、ここから「来臨」(イエス様がやってこられること)と言う意味を持たせました。
ですから、待降とは、毎年やってくるクリスマスを待つと言う意味のほか、イエス様が来られること(再臨と言います。「最後の審判」と呼ばれる事もあります)をお待ちします。と言う意味にも使われています。

期間は11月30日に最も近い日曜日(11月27日~12月3日の間の日曜日)からクリスマスイブまでの約四週間のことで、2009年は11月29日の日曜日から開始され、クリスマスイブの当日で終了します。

この時、教会ではアドベントクランツ(*1)にろうそく(*2)を4本用意し、第一主日に一本目のろうそくに火をともし、第二、第三、第四と週を追う毎に火をともすろうそくを増やしていきます。アドベントクランツが会堂に入ると、礼拝の一回一回がクリスマスへと向けたものであると実感できるもので、おごそかな雰囲気を感じる事が出来るでしょう。

この時に用いる聖書箇所も、イエス様の誕生にまつわるものが用いられ、又、この期間には教会でも様々なイベントが用意されています。田園調布教会ではそれぞれの会でクリスマス会が開かれますし、又クリスマス礼拝で洗礼を受ける人はこの期間が準備期間になります。教会全体がイエス様の誕生を迎える用意を始める時期です。

家庭ではドベント・カレンダーなどを作ったり買ってきたりして「クリスマスまであと○日だね」
という具合に、「カウントダウン」を楽しんだりします。クリスマスの楽しみはそれぞれですが、イエス様の誕生をお待ちする。と言う意味で、家族みんなで楽しまれることを願っています。

(*1)アドヴェントクランツの輪は、神の民が待ち望んでいた救い主の訪れの「時が満ちた」ことを示しています。これはまた、救いのわざを成し遂げて復活したキリストが、終末のときに「勝利の栄光の王」として再び来られることを表わす王冠のシンボルでもあります。
(*2)ろうそくは、旧約聖書の時代から神の民の中で救い主の到来を待ち望む信仰の光が灯されてきたことを表わし、同時に、私たちの心が王であるキリストの再臨を待つ希望の光で照らされていることを示しています。

Q2:レントとは何ですか?

レントとはイースター前の46日間の期間のことです(正確には40日なのですが、この40の数字に日曜日は含まれないため6回の日曜日を加えて46日になります)。イエス・キリストの十字架の意味をテーマにして礼拝を守る特別の期間の事を言います。ほかにも教会や教派によって様々な言葉で表されていますが、例えばレントの他に、四旬節、受難節、大斎節などとも言われることもありますが、意味はすべて同じです。

この時期はイエス様が私のために十字架に付けられたと言う事実を心に留め、救いを確信するために置かれたもので、受難週のイエス様の十字架の死を思う期間とされています。
この時をイエス様の苦しみを追体験する期間と考えることもできます。例えば昔のカトリックではこの期間は肉を食べないという制度がありましたが、現在でも食事や行動などに何らかの制限をもうける人もいます。
それよりもむしろ重要なのは、キリストの苦しみに連なって、わたしたちに何ができるのかということを考えるという時期。いわば奉仕、宣教というような意味づけとして考えるべきでしょう。

礼拝でも、この期間はイエス様の十字架の道行きが説教箇所に選ばれることが多く、典礼色も死を意味する紫を用いていますし、説教内容も信仰の振り返りを中心とするものが多くなります。

最初の日がかならず水曜日に当たるため、「灰の水曜日」と呼ばれます。旧約聖書では「灰をかぶる」とは、大きな反省を意味するだけでなく、死者を嘆く儀式にも用いられました。

2010年のイースターは4月4日ですので、2月17日にレントは開始されています。

この時に、自分自身にとって救いとは何か。と考えていきましょう。大いなる復活を、本当に心から喜ぶために。

Q3:ペンテコステとは何ですか?

ペンテコステ(五旬祭)は「聖霊降臨祭」とも言われています。
元々はシャヴオットと呼ばれるユダヤ教の祭りの日のことでした。この日はモーセが十戒を神様からいただいた事を喜ぶ祭りで、同時に麦の収穫を祝う祭りでした。
この「シャヴオット」という名称は「50日目」という意味で、それをそのままギリシア語に訳したのがペンテコステという名称です(ギリシア語で「50番目」を意味します)。ユダヤ教の過越の祭りの最終日から数えて丁度50日目に当たる日で、キリスト教においてはイエス様の復活の出来事から丁度50日目に当たる日のことになります。イースターの日にちが毎年異なりますから、ペンテコステも毎年変わりますが、イースターの7週後の日曜日と覚えておくと良いでしょう。
聖書によりますと、復活されたイエス様はしばらくの間弟子達とともにあり、その後天に昇られたとありますが(使徒言行録1章6~11節)、これが復活後40日目とされ、更にその10日後。まさしくユダヤ教の五旬祭の時に、ある出来事が起こったために祝われることになりました。

その出来事は使徒言行録2章に書かれています。
地上でのイエス様は、度々弟子達に「聖霊が降るのを待ちなさい」と約束されていましたが、弟子達はそれが何であるのかを理解していませんでした。しかし、この日弟子達が一つ所に集まって祈っていたときに、イエス様が語られていたとおり聖霊が降ったのです。
この時の様子は使徒言行録2章2節~4節に描かれています。「突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」聖書に書かれている聖霊は、“炎”として描かれている訳です。

この日聖霊が降ったその時、これまでイエス様に付き従っていた弟子達が、今度は人々に神の国を伝えるべく立たされることになります。その意味では、この日は教会が建ち上がった日。教会の誕生日と言っても良いでしょう。
その霊は今も教会の中に降っています。その事を忘れぬよう、礼拝をしっかり守っていきたいものです。

この日をお祝いするため、各種イベントが用意されている教会も多くあります。炎を表すため、典礼色を赤にするのが視覚的に最も分かりやすいことですが(イタリアではバラの花びらを教会に撒くそうです)、聖霊のシンボルである鳩を礼拝の内外で使う所も多いですね。

田園調布教会では、この日教会学校の礼拝は合同礼拝を会堂で行い、集まったこども達に鳩のお菓子を渡しています。又、公同礼拝では洗礼式・聖餐式も行われます。